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虐待サバイバーななのにっき2

キオクノハコ

ねるまえだからか、なぜだか、過去のことがいろいろとうかんでくる。

 

そしてそれをとめてくれたのは、S先生だった。

 

 

 

 

ただ、それはS先生がというより、ななのしんぱいごとがまたうかんできたから。。

 

S先生からもらった、数少ない「かたちのあるもの」の中の「お誕生日カード」が、引っ越してからどこにあるのか、きになってしまって。。

 

 

 

 

 

 

「春に花咲くように、あなたの人生にも花咲くことを祈っています S」と、電カルになるまでいつも使ってた万年筆でかいてくれたと思われる文字。

 

どれだけうれしかったか…

 

 

 

 

 

手渡されたときの、ななのきょとん顔は、ほんとうにまぬけだったろうとおもう。

 

 

 

先生から、カウンセラーとしてカウンセラーSを演じてるだけ、なんて言ってたこともある先生が、ななに、お誕生日カード?

 

これってお仕事だから…?

 

ちがう、、すぐ、わかった。

 

 

 

 

先生は直前まで悩んだといってた。

 

クライアントに目に見えるものとして残るものを渡してしまうという行為は本当はカウンセラーとしては厳禁のはず。

けれど、そうしなければ、彼女は確実にこの世に繋ぎ止められないという危うさをかんじる。

ななの母親にも連絡をとって、いっしょにカウンセリングをうけることや、お母さんも別でカウンセリング受けることもすすめたけど手応えなかったらしくて、、(あとで、なんか、母親もちょっと解離がひどいような印象、といってた)。

 

 

 

まるで効果がないし、でも明日にも心理室こなくなるかも、ふうせんみたいにふわふわしてる、もういよいよ危ない…

 

 

そう危機感をつのらせて、書くことを決断した。それが正しかったのかもわからない。けどこうしていま生きててくださいますね。私までなんだかうれしくなります。そういってくれた。。

 

 

 

どうして、ななはまたたいせつなものを、たいせつなものいれ、にいれて、そのいれものの存在自体をわすれてしまうのだろう。

 

 

 

ななにはたくさんの、たいせつなものがあるのに。。

 

 

 

めにみえない、たくさんのおくりものといっしょに、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

もう、いつものことだから、お誕生日カードをさがしだしてほっとするのをやめようとおもう。

 

 

けれど、ふあんがつきまとう。

 

 

 

 

バレンタインに毎年あげてた(義理)チョコのお返し、って、いつもくれたことなんかなかったのに、その年はなぜかくれたチョコの箱と包装紙…あるとき病院の自分のメールアドレスがあるからと、予約のときに送ってくれたら日程調整しやすいでしょうか?と、土日やすみがなかなかとれないときに、名刺の裏にかいてくれたメアド、、心理室の隅にあった紙に、ななにわかるように説明してくれた専門用語の文字や、ちょっとしたメモ書きくらいの〇〇日〇〇時、、みんなとってある。

 

 

 

もう、わかってるの。。

 

S先生は、お誕生日カードなんかより、たくさんくれた、目に見えないおくりもののほうに、こころをむけてほしいってねがってくれてること。。

 

 

もう、わかってるの。。

 

 

でも、ななはまだまだ、未熟。。。

 

 

さみしくて、しかたない。

 

 

S先生は、間違いなくななの親がわり、いや、親そのものだった。

 

結婚式に呼びたいなんていって、わりと本気だったのに、案の定、どんな顔してればいいんですか私は!って突っ込まれて(わりとS先生は普段上品ぶってるけどなながあんまり幼稚だから突っ込みすることがあった笑)、なくなく、そうですか、、ってひっこんだことも。

 

 

それくらい、親より親だったS先生。。

 

 

デイケアにいったばかりのころは、S先生は昔デイケアスタッフも兼任してたから、スタッフさんから、S先生ってお顔ステキなのにお酒も煙草もよねぇ!っていってて、ななは、えっ?!ってほんっっっきでびっくりしたから、スタッフさんに、あれ?ななちゃんしらなかったの?ななちゃんには隠してるなS先生〜っ!って、ネタにされてて、でも人間味あるエピソードとかきけて、そのたびにうれしくてうれしくて。

 

たしかに、なながイカとさつまいもの煮物をつくったのをはなしたとき、くあー!んいいねぇ!っておやじみたいな発言するから、えー?って笑ってたけど、お酒のむのね!って納得しちゃったよ。。

 

 

 

S先生とすごしたすべての時間。

たいせつなもの。。

 

 

ななのたいせつなものいれ、きおくのはこは、ときにうつろって、わすれたり、まいごになったりする。

 

 

でも、S先生がななのしあわせをねがってくれたことだけは、わすれないよ。。

 

 

 

まさくんとの恋を陰ながら応援してくれて、支え続けてくれた。もうだめかともおもうときも、もうわかれたら?なんて冷たいふりしながら、内心はどきどきだったって振り返ってくれたときもあったな。。自分でわかれない!って決断しないと意味ないって、S先生は一番よくしってたとおもうから。。わかれないほうがいいよ、とか、逆に別れたほうがいいよとか、その他ああしろこうしろなんて一言もいわないで、ひそかに、ひそかに、なながらくに、たのしくいきていくことだけを祈っててくれた。。

 

なみだがでる。

 

こんなにななのことを想って接してくれたのは、まさくんにであうまで、S先生だけ。。親も暴力だし、母親あんなのだし、、興味も関心もないってか、なんか放心状態のまま父親にされるがままの子どもたすけない、みたいな。リビングで殴られてわーん!ってなってても、キッチンで洗い物してため息ついてて、気づいてるのか無視してるのかも不明。

 

お手紙のシールを毎回きれいにはがそうとするS先生を、そんなの、びりって破ってもらっていいのに!というと、たいせつに気持ちを込めてひなせさんが書かれたから、私も想いをこめてたいせつに扱おうとおもうんです。っていってくれて、なんかもうなみだでるとかそういうレベルじゃない感激、雷がおちたみたいになった。

 

 

 ありがとう、S先生。

 

   だいすき。。。

 

 

 

ずっとわすれません。

 

 

このおもいは、かわりません。

 

 

 

たしかなもの、。・。・。。・

 

 

 

なんどいっても、たりない。

 

 

ありがとう。。。